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2007年05月15日
SAGA PLANETSさんの『聖炎天使エレアノール』(6月29日発売)オープニングムービーを担当させていただきました。
変身ヒロインと言えば怪物・触手・勧善懲悪、と言う実に偏ったイメージを持っているのですが、音楽が割と爽やか系でもありますし、敢えてその辺は外して『異世界で戦うヒロイン』の定番OPを意識して作っています。
初めてのメーカーさんでもあるので、関西まで打ち合わせに。低気圧に見舞われ悲惨な打ち合わせになりましたが。
基本的な構成は何時も通りで大きな変更はありません。
ただ、SAGA PLANETSさんの方から『ザ・キャラクター紹介』みたいなムービーにしないように、と指示がありましたので、立ち絵のキャラはイベントCGやアニメを加えることで馴染ませるような形での処理。
ぶっちゃけ『変身ヒロインもののOPは、変身シーンと爆発シーンでなんとかなってしまう』と言うところがありますので、そうした部分を軸に構成した、と言う感じです。
全データです。私の標準的な制作ベースですね。
動画コンテ作業から始めています。
冒頭の鳥を飛ばすところとか、3Dでのランタン制作、変身シーンのアニメーションなどは、最初から決まっており、表現する技法も最初から頭の中にあったので、それほど苦労はありませんでした。
難しかったのは、全体のバランスで、キャラの配置をどこでどのように見せるか、と言うところです。ここはSAGA PLANETSさんの指摘が大変役に立ちました。
動画コンテはAdobe Premiere。SAGA PLANETSさんのOKが出たものはAfter Effectsに読み込んで全体のベースとします。
鳥はアニメーション。CELSYS STYLOSで作画、Paint Manで塗っているところは何時も通り。
背景は、フリー素材の写真からAdobe Photoshopのインデックスカラー変換で色数を落とし、再びRGBモードに戻してから夕焼けのような色に補正。仕上げにブラシツールでレタッチしていきます。海の部分は、Adobe After EffectsのサードパーティプラグインDigital Anarchy Psunamiで作った海を一度静止画で書き出し、同様の処理をします。After Effectsで合成する時にKnoll Light Factoryでレンズフレアを掛けます。
何度か使用するアイテム。ガラスはオブジェクトにレイトレースマップを貼り込んで屈折率を計算させるのですが、ガラスを通した効果を出すため、他の静止画素材などとはAutodesk3ds-MAX上で合成しています。
最終的に幾つかの手描きアニメなどもAfter Effects上で合成します。
いただいたテキストを元に、変身シーンをテキストに沿って映像化したものです。
※多分に私の解釈が入っているので、ゲーム内のシーンと多少異なるかと思います。
ここはアニメーションと3Dの特性をそれぞれ生かす方法を採りました。
まず、原画をベースに本体、袖、腕など必要なパーツを描き上げます。予め、どのパーツがどんな出現をするのか正確に押さえてレイヤー継続時間まで計算しておかないと後で余計な労力を背負ってしまいます。
パーツが塗りまで完成したら、3Dオブジェクトとの合成にかかります。
3Dとは言っても螺旋状の帯だけなので位置合わせさえ出来たら、3Dオブジェクトにはビデオポストでグローを掛けて出力します。
背景も3ds-MAXに読み込んで一緒に出力しているのは、3Dで合成したことを気付かせないようにするためです。
服が出現する時のパーティクルは、After Effectsの標準プラグインBallActionなどを利用して作っているので、パラメータコントロールさえ間違わなければ『粒子から服が出来上がる』みたいな表現が出来ます。
全ての素材が出来上がったらAfter Effects上で微調整を繰り返しながら仕上げて行きます。
左が修正前。右が修正後。
制作の途中経過でSAGA PLANETSさんに確認していただいたところ、『おっp胸が小さい!』とリテイク。修正ラインを入れていただいた資料で再作画。
いや、私は最初に描いたくらいの大きさが好kうわなにをするやめr
シーン毎にレンダリングしたファイルを並べて、スタッフクレジットなどを加えて出力すれば出来上がり。