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- Personal Animation and Motion Graphics Works -

このTop画像は東日本大震災とか色々あって制作途中で頓挫した幻の「恋色空模様」リメイクOPです。

【Works】おしかけおさなづま3
- オープニングムービー・リリースノート -

2005年03月31日

制作コンセプト

ゲームのオープニングと言うことでしたので、キャラをどのように表現するか、と言うことを主題に『ヒロインたちの性格別・エピソード別の動き・映像を作る』と言うコンセプトで制作しています。

また、とある人気ゲームのデモのような明るさで、と言うことでしたので、そのデモからの多少の影響は免れませんでしたが、なんとか「おしかけ」色を出せるような工夫を重ねました。

アニメーションは、フルでやるには時間がありませんし、『少ない動きを見せる工夫』に徹しています。

制作までの流れ

  • ALL Data
    データ・フォルダ

全部のデータは、カットごとにフォルダ分けしています。

最初にCGの一覧をプレビューしながら、締め切りから逆算してアニメーションパートや3Dパートの配分を決めます。使い回しの効く素材や、新規に作り出す素材を計算しながら大体のところを把握したら簡単なコンテを作ります。

今回は、ちょっと事情があって文字だけでのコンテになりましたが、一種のアイディアメモみたいになっちゃいました。

  • D-Conte
    動画コンテ

次に、動画コンテをAdobe Premiereで作ります。

オープニングムービーの構成は<イントロ><タイトル><人物紹介><つなぎ><サビ><締め>となっているのが標準的ですから、オーソドックスにまとめました。

動画コンテでは、音楽の波形データを見ながら使用する素材を並べてフレーム単位でカット割りを合わせます。使用するイベントCGやカットの長さはここで決まるので、プレビューを何度も繰り返しながら慎重に決めます。幸い、歯切れの良い曲を猫野こめっと先生が作って下さったので、波形データは見やすかったですw

これをロールさんに送って、OKを貰ったら本格的な編集作業に掛かります。

制作の実際

隠しテーマ

全体の統一感を作るために、隠しテーマとして『チェック模様』を取り入れました。

タイトルのバックにチェック模様が使われていることから得たアイディアですが、様々なチェック柄をAdobe Illustratorで作りAdobe Photoshopで調整しています。

  • Check00
    Illustratorで作成
  • Check01
    Photshopで調整

限られた時間の中でやっかいなのは、やはり3Dとアニメーション作画なのでここから手を付けました。

3Dによる教室
  • 3D-Classroom
    3Dによる教室

3Dは、discreet 3d-studioMAXを使います。使いやすいインターフェース、フリーのプラグインが多数ある、ユーザーが多く情報入手が容易、と言うところが気に入っています。

教室は、最初のコンテの段階で使い回しすることが決定的でしたので、多少作り込むことになりました。

原画との違和感を軽減する意味で、壁や机などのマッピングは原画から起こしてレタッチしたり、手描きしたりして使用しました。

弓矢のアニメーション

弓矢も原画は3Dです。

MAXから書き出した3枚ほどのTGAファイルをCELSYS RETAS STYLOSに読み込んで中割りしたものをCELSYS RETAS Paint Manで彩色しています。

  • 3D-Arrow
    MAXでモデリング
  • Paint
    彩色

弓矢の背景で使った流線の画像はPhotoshopで手描きしていますが、横スクロールさせて使用するため、左右に継ぎ目が出ないよう、スクロールフィルタを利用して継ぎ目を消しています。これはTVアニメなどで川の流れなどを表現するときに使われる手法と同じです。

これらの素材をAdobe After Effects上で合成していきます。

  • Arrow-Back
    流線の背景
  • Composition
    After Effectsで合成
3Dによるタイトル
  • 3D-Title
    二重のモデル

なにげにタイトル部分でも「おしかけおさなづま3」の文字を3Dで飛ばしているんですが、同じモーションに調整した、一回り大きいクロベタのモデルとカラーモデルをAfter Effects上で合成しています。

時間があれば、3Dの文字も手描きに見えるようにレタッチしたところなのですが…

ブランコのアニメーション

ブランコのアニメーションも基本は弓矢と同じです。

アニメーションの動きは、3Dに比べて人の目に馴染みやすい、と言う利点がありますので、余程複雑なモデル(ロボットなど)でない限り手描きの方が効果が高いようです。特に2Dとの親和性は、狙った陰影を影の形状やカラーコントロールまで含めて自在に調整出来る、と言う点で、キャラと同時に使う場合には良いみたいです。

これらの素材を、After Effectsで最終的な補正などを行って合成していきます。

  • Swing01
    MAXでモデルリング
  • SWing02
    STYLOSで中割り
  • Swing03
    Paint Manで彩色
  • Composition
    After Effectsで合成
シルエット・アニメーション
  • Silhouette
    シルエット・アニメ

歩のシルエットアニメーションです。

シルエットアニメは作画が楽な上に、動きのある素材になるため重宝してます。

忍の髪揺れ

忍の髪揺れアニメーションです。

制服の前と後ろに髪の毛があるため、前後に分けて作画しています。

彩色してAfter Effectsでアニメーション化したMovファイルをMAXでテクスチャマッピングを行い、教室と合成します。

教室は使用する画面によって、ライティングを別にしました。

After Effects上で、Knoll Light Factoryでレンズフレアを作り、グラデーションになったマットをオーバーレイで重ねて、さらには背景に樹木の影を合成することで逆光の教室を演出してみました。レンズフレアはそのまま使うとエッジがキツイので、ブラーでエッジをぼかしてます。

完成してみると忍の髪揺れの効果がちょっと薄められた感じはしましたけども。

  • Hair01
    前後に分けて作画
  • 3D-Ccomposition
    MAX上で合成
  • Composition
    After Effectsで合成

完成

  • ALL-Composition
    全コンポジション

シーン毎にレンダリングしているので、並べてみると意外に単純です。

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