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2009年02月01日
catwalkさんの『魔王と踊れ!2』(2009年1月30日発売)のオープニングデモムービーを担当させていただきました。
基本的な構成は、前半がキャラ紹介、後半がイベント紹介と言う一般的なムービーと同じですが、このゲームはRPGなので、RPG画面のキャプチャ映像を配置することで、3Dで作ったダンジョンも上手く生かせるのじゃないかと思いました。
また、登場人物がもの凄く多いらしいので、全てを紹介するのは無理ですし、主人公と3人のヒロインをメインに据えることをポイントにしてあります。
前作の続編らしいので、以前のデモで多用されていた炎などを意識的に使うようにしています。
全データです。割合、効率よく作ったようで、思いの外フォルダは多くありません。標準的な作業量、といった感じでしょうか。
コンテ作業は結構悩みました。
霜月はるかさんの歌は好きですが、それにしても曲調が難しい^^;
こうした曲はどうしてもカットが長めになり、つい同じような長さのカットが連続してしまうので注意が必要です。自分では長さに変化をつけたつもりでも、見ている方には同じような長さに感じてしまう曲ってありますよね?
リズミカルな部分は主にキャラの切り替えによる表現を使い、その他の部分は歌詞を映像化したりする方法で構成しております。
動画コンテ作成は何時ものように、Adobe Premiereです。
この動画コンテから出力したムービーをcatwalkさんに見せ、OKが出たところで編集作業にかかります。
今回のお話をいただいた段階から決めていたのは、戦闘パートのキャプチャ画面を入れることと3Dダンジョンを作ることでした。
戦闘パートキャプチャを入れると、必然的にダンジョンの表現がポイントになりますので、3Dを使う意味が出てきます。
キャプチャ画面をAutodesk 3ds-MAXのフロントウィンドゥに貼り付けて全体を見ながら作っていきます。
マップに使ったレンガは自作で、カラーのものとバンプ(凹凸)用にモノクロを用意します。オブジェクトによってタイリングのスケールが異なるのですが、マップは一種類で色や大きさを変えながら貼り分けます。
壁面に設定したオムニライトは位置が固定されており、カメラ位置によっては真っ暗になってしまい、見せたい壁面が時として見えなくなったりするので、カメラの移動に別のライトを追従させ、状況に応じてライトの明るさを調整するのがポイント。
最終的には、Adobe After Effectsで色調補正など様々な調整を行って出力しています。
ヒロインの一人、マリーが謎の翼を広げるイベントCGはオフィシャルサイトでも公開されていましたが、これはアニメーション化してみたいシーンの一つでした。
案外単純な方法でして、まず羽根のベースとなるマップを描きます。
次に3Dで手前に向かって捲れ落ちてくるようなモデルを作ります。
最後にAfter Effectsで合成するんですが、マリーの背中から伸びてくるような部分は普通にマップの画像を拡大させているだけです。
タイミングを調整しながら手前には3Dから書き出した連番ファイルを重ねます。最後に透過光などを加えて完成です。
全体を3Dで作ることも出来るのですが、こちらの方が早いですし、結果にそれほど違いが求められるところではないため、効率的な方法を選択しています。
前半の山場とも言えます。
構成上は、後半の3Dダンジョンやマリーのアニメーションと対になるように入れたのですが、もちろん歌詞の『自由に憧れたあの日空を見上げて飛ぶ鳥を見た』に合わせてあります。
鳥とマリーのシルエットアニメーションは、CELSYS RETAS!PROで作画・ペイントを行っています。
背景部分はe-on softwareの景観作成ソフトVue 6 Infiniteを使用しており、背景の3Dっぽさを消すために、Adobe Photoshop上で補正を行っています。
最終的な合成はAfter Effectsですが、空間の広がりが出るようなカメラワークを意識しています。
マリーが顔を上げるシーンのアニメーションです。
何時か神奈月さんのキャラは差分のアニメをやってやろう、と目論んでいたのですが思いの外早く機会が訪れました^^;
イベントCGの差分を原画にして中を割ったアニメーションなので単純なものですけど、キャラクターの描き込みが細かく、止めている部分が多いとは言え苦労させられました。
CELSYS RETAS!PROで作画・ペイントを行い、After Effectsで合成します。
全てのカットを並べたら、スタッフクレジットなどを加えて出力、出来上がりです。